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もう葉っぱだけになったので、誰も桜など見ない。散ってしまうとそれが桜だったか?なんておぼえいない。人間なんていい気なもんだ。だいたい植物というものは、先に葉を出してその栄養を花や実にするが、何故か桜は花が先。ということは幹に蓄えていた養分を花にするわけだ。だから満開の時、桜は栄養を使い果たして瀕死のはず。その下で人は「花見」と称して酒宴を繰り広げ、醜態をさらす。桜にとってはなんと残酷なことだろう。相手が桜だからまだいい。

中世ヨーロッパでは、上流階級の人々が有り余る財力で食物を取り寄せ、貧しい少年少女を金で買っては、おぞましい酒池肉林の宴を毎晩のようにくりひろげていたという。人間の奥底に潜む「悪魔」は時として顔を出す。それに気がついて自力で戻れれば良いが、無意識のうちに出てしまって収集がつかなくなると大変なことになる。だから自分自身で自分自身をコントロールすることを「理性」と呼ぶ。「理性」は自分で作るもであり、他人から与えられるものではないので、年齢とともに「理性」は増えてゆかねばなるまい。

考えすぎると落ち込みそうだ。

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