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死人の話

私は、生まれたときに死んでいました。
いわゆる「仮死産」というやつですね。

オフクロは昭和8年生まれ。
青春を戦争の中で過ごした人です。
7人兄弟という大家族で、食べるものもままならなかった時代でしょう。
オヤジと結婚した時の体重は38キロだったそうです。
でもって死んで生まてきた私が3,600g(すいません、、、)
田舎の町には病院など無く、近所の産婆さんにとりあげてもらいました。
そりゃぁ難産だったでしょう。
母体か私か、どちらかが犠牲にならなければいけなかったようです。
とりあえず母が生きていれば、次のこどもを、、、
とうわけで、この世に出てきたわけですが、腕の良い産婆さんが蘇生してくれたそうです。

それから46年。

医学の進歩とともに、体外受精、代理出産と人間の倫理や「神」の分野まで及んできました。
金でこどもを売ったり買ったりすることは、何百年も前の「貧窮」の時代に行われたこと。
多産多死型の社会は、人類が存続することしか許さない最後の決断を迫りました。

しかし、現在は少子化。
社会も生活も経済的にもその時代とは比べ物にならないほど豊かになったはず。
人間の心も豊かにならなければいけないと思いますが、、、

こどもの頃は、インゴウジジイやガンコババアがいっぱいいて、聞きたくも無い話を聞いていました。
確かに聞きたくないですわ。
こどもに過去は関係なく、未来しかありません。
でも話だけではなく、昔のおとなはちゃんと実践してましたよね。
こどもの頃はそんな背中を見て育ちました。
真似したいですね。

とりあえず、あちこち壊れていますが現在生きております。
生きていたことは残さなければいけないなぁ。

最近そんなおとなになりたいと思っています。
嫌われながらも、世の中の役にたつ「口うるさいジジイ」に。

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