TOKYO ハンドクラフトギターフェス 2008 その2
中村さんと昼飯を食べる。
ここで中村さんの激動の人生を聞いた。
もちろんブログでは書けない。
中村式「命の使い方」は、私の人生を大きく変えたことに間違いない。
だた、退院された奥様のことだけは、気にかかる。
今回は、ずいぶん会場に落ち着いていられたので、収穫は大きかった。
以前から気になっていた、古谷さんに会えた。
昨年、御茶ノ水の某ギターショップで古谷さんの初期の頃のギターを試奏したことがある。
それが忘れられなかったからだ。
ぱっと構えた時、暖かみを感じたのだ。
とってもピュアな感じがして、好みだったからだ。
それまでフルヤギターなるもをはまったく知らなかった。
しかし、その時の印象が強く鮮明に記憶している。
店長から、古谷さんがErvin Somogyiから学んだことや、シュラック塗装を施していることなどをはじめて知った。
ブースに女性の方がいた。
奥さんかな?
こういうところに女性の方がいるのは珍しい。
とりあえず弾かせていただく。
あのときと同じだった。
何だろうか、この感覚は?
うまく表現できない。
3台目を弾いていたら古谷さんが帰ってきた。
若いんだなぁこの人。
話を聞いた。
ずいぶん手の込んだ作り方をしている。
しかし、この方もある意味個性的な方だ。
なんというか、無垢というか素朴というか、それが作品にでているんだろうな。
また弾いてみたい。
圧巻は中村さんの師匠である山本さんのギターだった。
もちろん「くり抜き」のベースギターが2台。
それと「くり抜き」のナイロン弦とスチール弦が1台ずつ。
実は、私は弦楽器との出会いはコントラバスなのだ。
小学校の音楽クラブで5~6年生の2年間弾いていた。
このくり抜きベースは、見る者を圧倒する。
昨年も書いたが、山本さんのギターの「たたずまい」は実に芸術的で美しい。
俗っぽい表現だが、いい女が長襦袢を着て横たわっているという感じだ。
見ていて魅力的なものは、弾いてもそれを裏切ることは絶対にない。
しかし、山本さんのギターは、その真価を発揮するのには膨大な時間を要すると思う。
もともと、くり抜かれたギター内部の空間を非常にうまく鳴らす作りになっている。
だからブレージングも非常に少ない。
弾いていて中が非常にきれいに鳴っているのが良くわかる。
見てのとおりその内部は、和太鼓と同じ溝を持つ。
おまけに和紙張り、漆塗りだ。
おそらく最高の木工業技術を持っているのだろう。
この合わせなんかすごい。
木目とその角度の美しいこと。
そうとう弾き込まないと山本さんが考えていた音が出てこないのではないかと思う。
時間と歴史が音を育ててゆくと思っても間違いではなさそうだ。
3分でできるラーメンを食っている現代人には到底理解できないだろう。
これは実に魅力的なギターだ。
昨年なぜこれに気がつかなかったか?
簡単だ、私が今より不健康だったからだ。
最後に大和マークの渡辺さんを紹介して頂いた。
知る人ぞ知る、ギターや弦楽器のパーツを世界中のメーカーに卸しているという会社だ。
面白い話をたくさん聞けた。
牛骨のブリッジを買ったが近所の楽器屋の半値以下だった。
恐るべし名古屋。
今年は絶対に行く。
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