田中一村
田中一村の絵を見に行ってきた。
とてつもなく混んでいた。
メディアの力というのは恐ろしい。
しかし、この方の人生を知ることは、とても重要なことだと思う。
ただ、わたしのような素人のブログでこれを語ることは、とでも難しい。
私は「絵」の世界には疎く、知識も薄いのだ。
絵や彫刻は、形で残る。
しっかり、きちんと残る。
画家や彫刻家は、自分自身で自分の表現を完結できるからだ。
一枚の絵についやした何百、何千時間というエネルギーを目の当たりにすると、気が狂いそうだ。
私の持っている器では、とても受けとめられない。
怖かった。
以前、中村さんから頂いた画集で予備知識はあった。
が、違う。
全然違う。
実物は、色濃く鮮やで、繊細かつ重厚に迫ってくる。
見ていて息が止まる。
「描く」ためにおのれの人生を費やした「生き方」は、誰にもまねできないだろう。
打ちひしがれて帰ってきた。
娯楽映画を見て、爽快感にひたって家路に着くような気分ではない。
以前経験した認知療法のカウンセリングを受けた後のような感じに似ている。
今まで誰にも見せたことの無い、自分の心の奥にある一番弱い場所の蓋を開けられたような感じがする。
心のざわつきは、まだ押さえ切れていない。
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