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3.11回想

埠頭にいた。
もちろん仕事でだ。

営業車を運転し、とある冷凍倉庫に着いたとたん、中からどっと人が飛び出してきた。
何事かもわからず車を止め、サイドブレーキを引き、エンジンを切ったが悪路を走っているように車が揺れていた。

外へ出たが、立っていられないほどの揺れ。
車を止めた脇にある自動販売機が踊っている。
上を見た。
倉庫が崩れてきやしないか?

あせった。

冷静になろうと思っても無駄だった。

埋立地の埠頭は、地盤がゆるい。
あっという間に液状化する。
目の前で泥が噴出し、電柱が傾き、縁石は崩れ、道路が割れた。

車に戻ってドアを開け、ヘルメットを取り出してかぶり、エンジンをかけてラジオをつけると人が集まってきた。
手に手に携帯電話を持っているがつながらないと言う。

震源地は宮城県沖、津波は20分後。

ラジオからの声は冷静だった。

津波警報は外房までか。
東京湾は大丈夫だろうと信じることにした。

家族の顔が浮かぶ。
相変わらず携帯電話はつながらない。

仕事相手が到着したが、待機との支持。
担当に伝えるが早く立ち入り禁止との返事が返ってきた。
当たり前だ。

余震が続く中、笑顔で現れた女性の工場長。
用意してありますからどうぞ。
と。

うそだろ?

こんな時に倉庫の中に入りたくない。
しかも停電してるのに。

やります?
え?
やるんですか?
じゃあ、、、、、

非常灯の明かりの中に懐中電灯を持った仕事の鬼がいた。

早々に終えて、帰る。
道路はゆがみ、陥没した場所は泥沼。

家内の実家は神戸。
震災の時、公衆電話は非常用回線だったことを思い出す。
公衆電話に飛び込み自宅に電話。
何度目かにつながった、、、
しかし我が家の電話は、非通知だと通話できない設定だった。
じくじった。

とりあえず、つながったところに連絡を入れる。
遠いのに群馬の実家もつながった。

自宅には息子がいるはず。
我が家は阪神の震災後の建物だから耐震性には問題なかろう。
娘は学校=避難場所だから大丈夫だろう。
家内が一番気になった。
仕事場のビルは古い。

何故か私の勤務先にはMDFを経由しない古いアナログ回線の電話が一本あった。
難なく自宅の息子とつながった。
必ずしも新しいものが良いとは限らない。
家内ともつながった。

電車は動いていないので、営業車で帰宅。
普段なら1時間もあれば着くところ、2時間40分かかった。
道路は人だらけ、信号は点いていないので大渋滞。

家に着くと娘が帰っていた。
息子は、家の片づけを済ませていた。
ほどなく家内も帰ってきた。

ほっとしたが、テレビを見て驚愕した。

あれから一ヶ月経ったが、四十九日までは喪に服そうと思う。


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