小布施に行ってまいりました
お昼前に長野に着くと中村さんが待っていてくれました。
とりあえず腹ごしらえ。
中村さんが子どもの頃にお母さんとよく来たという「五明館」。
おすすめの印度風カレーを御馳走になりました。
デザートは「うす茶アイスクリーム」
優しい辛さのカレーは、どこか懐かしさを感じます。
そしてあっさりと甘く、抹茶の香りにつつまれました。
ここまで来たからには「善光寺」へ。
20数年ぶりです。
結婚した頃に家内と来ておやきを食べながら参拝しました。
そして車で小一時間で小布施に到着。
新生病院礼拝堂は、1932年に建てられたチャペル。
新生病院に隣接されています。
さあリハーサルをしましょう、とばかり中に入ると、、、、目に飛び込んだのは、、、
これは!
西川オルガンではないか!
日本で最初のオルガンは、日本楽器(ヤマハ)ということになっていますが、実は西川オルガンの方が先なのです。
西川虎吉は千葉県出身の有名な三味線職人。
今も昔も腕に良い楽器職人というのは、高い文化意識やとてつもない好奇心をもっているのでさっそく西洋楽器の風琴=オルガンに目を付け、作り始めるわけです。
そのころヤマハに創始者の山葉寅楠は、まだ外国製オルガンの修理をしていた頃。
オルガンをかついで箱根の峠を越えた話は有名ですね。
西川虎吉の作るオルガンは、まだ日本で製造できない部品を外国から取り寄せて製作していたため純国産と認定されなかったのです。
なのでかなり高価だったため一般には普及せず主に教会で利用されいました。
だからここにあるのでしょうね。
その後、家族経営だった西川オルガンは、2代目で衰退。
日本楽器が吸収します。
しかしその技術の高さと優美を極めた西川オルガンの名を残し、その後も製作し続けるわけです。
見ると、「Nishikawa Organ」と「Nippon Gakki Seizo Kabusikikaisha Yokohama Factry」両方書いてあります。
調べてみたら製作時期は1929年前後でした。
「Yokohama Factry」とは西川オルガンの工場のことです。
似た物を国立歴史民族博物館で見たことがあります。
もちろん触れることはできません。
「どうぞ弾いてみて下さい」
と、この教会のチャプレン石田さん。
神に見えました。
もう言葉にできません。
ただただその音に震えました。
幼稚園の頃、先生しか弾くことができなかったオルガン。
小学校に上がり、音楽室いっぱいのオルガンを見て、天国だと思いましたね。
最初に触れた鍵盤はオルガンです。
私の音楽のルーツです。
我に返ると中村さんがリハの用意を、、、、、すんません(゚ー゚;
震えたのはオルガンだけのせいじゃなかったんです。
この教会の中はこんな風。
天井は高く、ふんだんに木が使われています。
響きは、このうえもなく素晴らしいものがあります。
もともと寺社仏閣や教会は、音の響きが良い作り。
お経や祝詞がすみずみまで充分行き渡るようにできています。
竹造の音も良く響きます。
こんなに気持ち良く弾けるのは、初めて。
また我を忘れていると、、、、
明日は来れないので、リハーサルだけも見たい、、とお客さんがゾロゾロ。
リハが本番に、、、、
子どもを連れたお母さん。
その女の子をみて思わず「アンパンマンマーチ」を弾いてしまいました。
「ちょっと違うんじゃないか?」と中村さん。
良く見たら小学校高学年くらい。
ジブリを弾きました。
体中の細胞が蘇った気分。
お腹がへりました。
小布施の名物は、トンカツだそうです。
「味郷(みきょう)」のトンカツをいただきました。
ジャズが流れるお洒落なお店。
特性のタレがかかったソースカツは絶品です。
それにしても、、いつもそうですが食欲が先で写真を撮るのを忘れます。
ゴメンナサイ。
ブログに料理の画像を掲載できる方の理性がうらやましいと思います。
だからこれも飲んだ後の空き瓶ですが、、、
脳天くい打ちを食らったような本物の味でした。
志賀高原ビール
黄色いラベルのペールエールは、ホップの利いた赤ビール。
黒いラベルのポーターは、芳醇で飲みやすい黒ビール。
おいしゅうございました。
翌日は、あいにくの雨。
台風が来てました。
でも、たくさんの方が足を運んでくれました。
心より感謝申し上げます。
音響設備は、ありません。
全て生音です。
「静寂」という贅沢は、都会でいくらお金をかけても買えません。
不思議なことに一番後ろの席のほうが音が大きく聞こえます。
これが教会マジック。
演奏しているのは中村さんです。
ジャパンオリジナルの竹ギターの話にうなづいていたチャプレン石田さん。
素晴らしい方です。
「もはやキリスト教は、外国の宗教ではないんです。もっとその国の言葉で話さなければ。」
という言葉が印象的でした。
病院と教会。
日本で例えれば医者と寺がいっしょにあるようなもの。
しかし、生まれいづるところから生命をまっとうする場所が同じという考えは輪廻に通じるものが無いでしょうか?
私はキリスト教徒ではありませんが、人として共感します。
それを越えたところで、力も金もないボランティアとしてできることは、これしかありませんでした。
この震災という非常時に政権争いをしている国は、他の国からどう思われているのでしょう。
何か越えなければならないことがありそうです。
良いコンサートでした。
企画してくれた、日本緊急救援隊で活動している協同組合CSRの飯森さんに感謝いたします。
このコンサートの模様は、飯森さんのブログに動画が掲載されていますので、興味のございます方はご覧ください。
そしてまたいつか、必ず小布施で。
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