Tokyoハンドクラフトギターフェス2013~その2
見てるとコーヒーか紅茶がほしくなりますね。
まるでお菓子みたい。
いったいどこに行ってきたのさ?
Tokyoハンドクラフトギターフェスです。
これは、なんとペグボタンです。
長年ギターを弾いていて、いろいろな装飾を見て来ましたが、これは初めて。
いい年したオヤジが何を血迷って、、、と言われそうですが、幼かった時の自分を思いだしましょう。
ギターは憧れだったと思います。
ギターを持っているやつは、どんな人でもカッコ良く見えましたよね?
テレビに出てるあの人と同じギターがほしかったでしょう?
そして初めてギターを買うとき、何本も何本も試奏しましたか?
何を感じてそのギターを選びましたか?
手に入れたギターを弾いているうちに、だんだん色気が出てきてヘッドにマスコットや小さなぬいぐるみをぶら下げたりしませんでしたか?
憧れの歌手と同じストラップを買いませんでしたか?
ギターのあちこちにお気に入りのメーカーのシールやアーティストのステッカーを張ったりしませんでしたか?
とりあえず「カッコ良さ」から入り、いっちょまえに弾けるようになるまで、ギターの音なんてどーでもよかったんです。
そういうところからギターの深みにハマりましたよね?
ギターの入り口は、そこです。
ようするに、たくさんの若い人たちにギターを弾いてほしいわけです。
もし、店頭に並ぶギターにこのペグボタンが付いていたらどうでしょう?
「カワイイ~!」でしょう?
もし、そのペグボタンが自分のイニシャルだったらどうでしょう?
「カワイイ~!!」でしょう?
もし、自分の娘のギターにこれを付けたら?
「カワイイ~!!!」だろ!
だから買ったよ!
今「カワイイ~!」という言葉は、世界共通語になんですよね。
だから1個1500円
大手メーカーが金型おこして作ったら3~4分の1以下の価格になるでしょう。
そうしたらこれを作っているEnnoshita Artさんは、負けちゃうかも?
と思ったら既に実用新案登録をされていました。
流石ですね。
これから大いに楽しみです。
その裏側にぽっかり空いたブースが一つ。
前日、突然キャンセルがあったという鈴川さんのブースだ。
逢いたかったなぁ。。。。
何かあったんだろうか?
ちょっと心配です、、、、
ふ~
いーかげん疲れてきたので、廊下のソファーでひと休み。
大荷物の山本さん。
名古屋から何本もギターを持って新幹線に乗ってきたのだ。
「あんたなぁ、これ弾いてみてくれんか?」
テープルの上に出された同型のギター2本。
(lll゚Д゚)
今まで数えきれないほどのギターを試奏した(数えていないので、、、)
そして幾度と無くショップに足を運んだ。
しかし、それにしても、、いままでこんな贅沢な試奏は、あっただろうか?
もう気分はスカイツリーのてっぺんに、、、
山本さんから話を聞く。
樹木の主要化学成分であるリグニン、セルロース、ヘミセルロースの話。
三重大学における研究の話。
勉強され、研究し、仮説を立て、自宅に自らの手で燻煙庫を作り、そこで日夜木材と語らい、ギターという楽器に適した燻煙を考えている。
やみくもに燻煙しているわけではない。
あまりにもストイックだ。
山本さんは、中学を卒業されてからこの道に入った。
御年77歳。
地面にめり込むくらい、頭が下がる思いだ。
だから、その弾き比べがどうだったかなんて書けない。
写真も撮ったけど載せられない。
秘密だ。
なぜなら山本さんは、これからその集大成をお作りになるからだ。
大汗かいたのでペプシコーラを買いに走る。
そして例の燻煙くりぬきギターSonido SC1202と久しぶりのご対面。
私がお返しした後に他の人の下で弾かれていたと言う。
そうとう可愛がってもらったらしい。
いちだんと音に輪郭が出てきた。
気になっていた1-2弦のツマリも気にならないほど少なくなっている。
そしてギター全体に響きが出てきた。
弾いていて気持ちがよい。
実に、官能的だ。
このギターの音は、何故こんなにエロティックなんだ、、、、?????
山本さんのギターも中村さんのギターも、普通のギターよりその質量は、はるかに多い。
だから製作者の考える音が出てくるまでは、それ相当の時間がかかる。
毎日きちんと音を出し、それなりの演奏技術を持った人の手で弾き続けなければならない楽器だと思う。
たかがギター、されどギター。
ギターは、大衆楽器だと思っている。
より多くの人にその良さを知ってもらいたいと願う。
私は、今年の春先から腱鞘炎になって少々凹んでいた。
しかし弾けなくなったわけではない。
子どもたちにまみれて、キャンプで弾いたり。
たまには人前に出て弾いたり。
娘といっしょに弾いたり。
よく考えりゃけっこう素敵なことじゃないか。
やっぱり、ここに来て良かった。
~完
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