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森と風のはなし、と雪のはなし~続き1

雪国に生まれた私にとって、冬になると雪が降るのは、ごく自然なことだった。
小学校の体育の授業は、全部スキー。
そして除雪されていない道を家までスキーで帰る。

除雪というのは、訪れる観光客のためのものだった。
やがて自動車で来る人が増え、当たり前に行われようになる。
実は、下手に除雪されていない雪道のほうが歩きやすいのだ。

雪国に住む人は、そこで生きるために知恵がある。
それは、見たり聞いたり真似したりしておぼえた。
そんな経験が、私の人生の教科書になっている。

そろばん塾の帰り道、お座敷に向かう芸者さんとすれ違う。
差し歯の下駄には、鋲が打ってあり、凍った坂道でも小走りに降りてくる。
とつとつ、カッカッカッカッ、、三味線を抱えた着物姿が粋だった。


千葉駅
ずいぶん時間がかかった。
途中の駅で、除雪、安全確認などで小一時間待った。
駅を出ると、そこは大根おろし。
行き先の無いビシャビシャに溶けかかった雪が海になっている。

昨日帰れた?
今日は、どうやって来たの?
これがその日の挨拶。
普段経験したことが無い困難を乗り越えてここまでやってきた顔がある。
エネルギッシュだ。

子どもたちは、もっと元気だ。
昨年の4月から、森の中でたくさんのワークショップが行われた。
そして最後の最後で「大雪」という講師のいないワークショップを経験している。

ほーらみろ、午前中の舞台稽古なんて、みんないい声出てるじゃん。
いつもとちがう動きしてやつもいるし。
はじけ飛んでるね~
それでいいんだよ、それで。

ホールにひときわ響く声。
俳優座の塩山誠司さん。
近寄りがたい迫力がある。
体が大きいことに加えて、その声の響きと太さにただただ驚いていた。
私は今回、稽古に顔を出す機会が少なかった。
行っても、ただのオジャマ虫になってしまう。
なのでお会いできる回数も少なかった。
真顔で口数も少なく寡黙に稽古している姿は、それだけで話しかけてはいけない雰囲気を醸し出している。
俳優の厳しい顔があった。
終演後に挨拶すると、今まで見たことも無い笑顔が返ってきた。
嬉しかった。
見習おう、私はもう少し真面目に生きていかねばと。

一番の不安は、、、お客さん来れるんか?、、ということ。
でも、来た。
思っているよりも多く。
どうやってここまで来たか、一人一人たずねてみたかった。
どうしても見たいと思っていれば、どうやってでも来る。
そんなお客さんが集まったのだと思う。
だから場内の雰囲気がやたらといい。

そんないい雰囲気の中で「森と風のはなし」が始まった。

つづく

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