森と風のはなし、と、おもに雪のはなし~おまけ
強く激しく吹きすさぶ冷たい風に粉雪が飛ぶ。
路上は、横殴りの突風に氷雪が舞い上がり、視界を遮っている。
駅ビルの自動ドアは、吹き込む雪で氷つき、開いたまま閉まらない。
そこは、通路となっているのでJR、京成線と往復する人が絶え間なく出入りする。
大量の冷たい風が流れ込んでくる。
ビルは、吹き抜けなので中にいても思ったほど暖かくない。
それでもどんどん帰宅難民がやってくる。
53とはいえ運動不足の老体が悲鳴を上げ始めた。
ヤッバイなぁ~どーしよ~。
ふと見るとJRが走り始めている。
どこかに非難できないかな?
半田さんところの稽古場に行けないだろうか?
藁をもすがる気持ちでメールすると、すかざず電話が鳴った。
西船橋にお住まいのスタッフの方が泊めてくれるという。
感謝の気持ち以外、何も考えられなかった。
JRへと走る。
わずかな距離だが、猛吹雪で顔が痛い。
こういう時、でかい分だけ損をする。
ホームへ上がると、向かいの京成線の電車が雪ダルマになっているのが見えた。
これじゃ明日も走れないだろな。
しばらくすると電車がやってきた。
総武線各駅停車、、、、じゃない。
なんと武蔵浦和行き。
JRのド根性を垣間見た気がした。
西船橋からは、まるで八甲田山雪中行軍。
歩道は雪に覆われ、一人分しかない轍を進む。
傘は、すでに形を失っているが、かぶっていれば風を遮り少しは歩きやすい。
残り少ない電源のiphoneで場所を聞きながら到着。
ドアが開くと暖かい笑顔で迎えてくれた。
あ~安堵。
すると中から「鹿」の声。
先客はNeko Barの女将。
そして暖かいお風呂と缶ビール。
もうそこは、天国だった。
自然と盛り上がる。
Neko Berで竹ギターライブやろう、てな話が持ち上がった。
いいね~ついでに「森と風のはなし」作曲秘話、誰にも言えない裏話付き、なんてどうかな?
開催時期は未定です。
詳しくは、Neko Barへお問い合わせください。
そして布団の中で感謝する。
文化文明の中で当たり前のように暮らしていると、その中で何か一つ欠けただけでも、心は脆くなってしまう。
改めて「森と風のはなし」を考えてみる。
生きてゆくことに本当に必要なのは何なんだろか?
それを忘れているようでならない。
猛吹雪の夜、どこへも行けない私が、ここでこうしてお世話になっている。
それは、たまたま私が音楽をやっていて、病気を期にこの世界に引っ張ってくれたNeko Berの女将いて、それがきっかけで私の音楽を招いてくれる人が現れ、理解と信頼で結ばれたスタッフに出会い、今その方の家のお布団で寝ている。
私も脱原発を良しと考えているが、電気が無ければ成り立たない生活をしている。
電車が走っていなければ、ここへたどり着くことができなかった。
布団のそばで部屋を暖めているセラミックヒーターは、もちろん電気だ。
明日の舞台照明、音響、ホールの空調も全て電気を使う。
現在は、これ全て地球にある化石燃料で電気が作られている。
いずれ無くなる日が来るだろう。
私の住む佐倉市は、太陽光発電所が作られた。
しかし、これも600世帯分。
考えよう。
考えることは自由だ。
そして行動しよう。
何か解決できる糸口があるはずだ。
翌朝、朝食までご馳走になり、美味しいコーヒーを頂く。
仏壇の中で微笑む御主人に手を合わせて感謝し、千葉県文化会館へと向かった。
もう一度御礼来よう。
大切な人だ。
つづく
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コメント
og3さん、こんにちは。
そこまで、大変な状況だったとは露知らず、
能天気なツィートをして、すみませんでした。
それにしても、濃いドキュメンタリーです。
og3さんを取り巻く世界に釘付けになりました。
Toshi
投稿: Toshi | 2014年2月13日 (木) 午後 02時20分
Toshiさん>>
ありがとうございます。
ツイートが返ってくると、けっこう安心するもんですよ。
ひ弱な私は駅で死にそ~になってましたが、舞台のプロってすごいです。みなさん遠くから来てるのに、あんな天候でも「休まない」「遅れない」「元気」という3拍子そろってます。
舞台を降りても「プロ」という意識を感じましたね。
いやぁいい人生勉強になりました。
投稿: og3 | 2014年2月15日 (土) 午後 07時24分