黒伊佐錦
社会人になって間もない頃。
仕事先にいたおっちゃん。
4tを転がして、我がもの顔で港を走り回っていた。
私の業界でこの人を知らなかったらモグリかも知れない。
野太いダミ声で、ドヤされることもしばしば。
その頃私は20代後半、まだ駆け出しだった。
現場が変わっても、なぜかそこにいてずいぶん世話になった。
もう私は、結婚していた。
おっちゃんは、すでに定年退職してたが仕事は同じだった。
相変わらずの野太いダミ声に安心した。
あれから20数年、、、、
人生いろいろ、仕事もいろいろあって、その頃と同じ現場に戻った昨年の4月。
戻った仕事先に、、、、おっちゃんはいた。
まだ現役なのかい?
もうとっくに80歳を超えているのに。
なぜかうちの会社の下請けになっててビックリ。
懐かし話にでっかい花が咲いた。
仕事先に行くのが楽しくなった。
妹さんの一周忌で実家に帰っていたおっちゃんの土産は、兵六餅
「あれ~?鹿児島の人だったの?焼酎うまいよね」
って話しかけたら
「あんた焼酎呑むんか?」
いきなり出てくるお国なまり。
「俺んちの近所にさぁ、うんまい焼酎があるんだよ」
「なにそれ?」
「伊佐美」
絶句した。
好き者同士の話は、かなりディープに長い。
「今度持ってきてやっから」
「いいってば~そんな高いの」
「いやそれは、俺でも買えんのよ」
ほっとした。
年が明けた仕事始め。
現場で会った。
年始の挨拶もそこそこ
「おーい。車持ってこい!」
「ん?なんで?」
「い~から持ってこい!」
現場の同業者から笑顔で送られ、地下駐車場から車を持ってくる。
「おら」
「え?なにこれ?」
「い~から持ってけ」
濃いめにお湯で割っていただく。
うわっすげ~!!!
なんというか、私の好きな重くて濃い風味の日本酒の熱燗に似てる気がする。
口あたりが良くて呑みやすいこと、はなはだしい。
気がつくと呑みすぎている毎日、、、、
普段なら一升買って晩酌でチビチビやれば一週間もつんだがな、、、、
というか、年末年始どんだけ呑んだんだ?
考えると体に悪いので、それは忘れることに。
次に会ったとき、丁重に御礼。
そんなの全く聞いてないおっちゃん、、、、
「お前さ、黒霧は飲んだことあるってったよな?」
「うん、出張で福岡行った時におぼえた酒よ」
「それの赤って知ってっか?」
「え?それは知らね~な!」
「こ~れがまたうんまいんだよ、うちに五合瓶があるから、、、」
「い~から!」
どうやら終らないっぽい、、、、、
ちゃんと買って呑むからさ。
しかし、どうして私と仲良くしてくれる人には九州の人(のん兵衛)が多いんだ?
あの人、この人、それからそれから、、、、
ほぼ全県にわたっている。
不思議だ。
まぁ、カミさんも長崎だし。
きっと何かの縁と運があるんだろな。
もらってばっかじゃわるいから、お返ししないと
「い~から!」
「よくない!」
ここ数年、なぜかギターと酒には困らない。
(金には困っているが)
そんな出逢いに恵まれたことを心から感謝しなければならない。
今年もそんな出逢いがたくさんあるだろうか?
おっちゃん、黒伊佐錦、えれ~うんまかったよ
今度いっしょに呑もうな
初詣の大吉が始まっているような気がする。
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コメント
og3さん、こんばんは!
いいっすねぇ~。
ここ何回かは、目に沁みそうな記事が続いていて、
楽しいっす。(笑)
今年はぜひどこかで一杯、宜しくお願い致します。
(笑)
Toshi
投稿: Toshi | 2015年1月18日 (日) 午後 11時14分
Toshiさん>>
お近づきのしるしに一杯やりましょう。
品川あたりでどうですか?
FBで連絡ください。
もう、首がキリンです!
投稿: og3 | 2015年1月22日 (木) 午後 09時14分